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2023年4月4日 ブログ

みなさんお疲れ様です。

桜の季節になりました。

日本人は昔から桜が大好きですね。

1000年以上前、平安時代の在原業平が

世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし

(歌意:この世から桜がなくなってしまえば、春の人々の心はさぞのどかなものだろう)と歌いました。

たしかに咲く前は「いつ咲くのか」と気にして開花予想まで出し、咲けば花見に出かけ、散り始めると「今年も終わりか」と惜しむわけですから意識の底にしっかり根を張っているのでしょう。

桜の和歌をもう一つ。

行きくれて 木の下かげを 宿とせば 花や今宵の 主ならまし

詠み手は平忠度(たいらのただのり)。薩摩守(さつまのかみ)とも呼ばれています。

平家一門の中でも優れた武人であり同時に一流の歌人、まさに文武両道の人です。

「平家を朝敵(天皇・朝廷の敵)として討伐すべし」と命令が下り平家一門は都落ちし、忠度も都を脱出します。その途中で追っ手の源氏の軍勢に見つかり奮戦むなしく討たれてしまいました。

二人がかりで討ち取った源氏の武士が亡骸の箙(えびら:背負い式の矢立て)に結びつけられた手紙を見つけ、そこに上の和歌が残されていたわけです。歌の内容は「旅の途中で日が暮れて木の下陰を宿とするなら、桜の花が今夜の宿の主人としてもてなしてくれるだろう」ということです。

ちなみに教科書では忠度の

さざなみや 志賀の都は 荒れにしを むかしながらの 山桜かな

の歌もよく扱われ、こちらのエピソードも知られています。

というわけで、戦の中でも風雅を忘れなかった薩摩守忠度よろしく、日々の仕事の中でも品位や気遣いを忘れずにいたいと思いました。

まずは花見会場の回収業務で頑張りますよ!

ではまた次回もよろしくお願いします。

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