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2023年2月27日 ブログ

へがふっど!こけけ!

みなさんお疲れ様です。

土曜日には北海道で震度5弱の地震が発生しました。幸い人命に関わるほどの被害はありませんが、しばらくは余震に注意とのこと。

ご安全に過ごしていただきたいものです。

さて、先日「鹿児島市周辺では桜島の噴火・降灰が身近な自然災害」と書きました。そこで「鹿児島弁」のことも思い出したので、今日はその話題。

鹿児島弁では「あい[ai]」の音韻は「え[e]」に変化します。難しそうですが、これは関東の言葉でも普通にあります。「痛い(いたい)」が「痛え(いてえ)」になりますよね?それと同じ方式です。「貝(かい)」は「け」になるわけです。

だから鹿児島弁では「灰(はい)」は「へ」になります。

続いて動詞の語尾の「る」は促音の「っ(ちっちゃい『っ』)」に略されます。「帰る」は「帰っ」、「寝る」は「寝っ」です。「降る」は「降っ」になります。

そしてこれは南九州全体にある傾向ですが、関東で「〜よ」「〜ぞ」を文末に付けるところを「〜ど」と言います。「止まるよ」は先の「っ」と合わせて「止まっど」です。

次に方向を表す「〜へ」は「え[e]」の音として「ここ」や「そこ」などと融合します。「ここへ」が「こけぇ」、「そこへ」は「そけぇ」です。会話の中では早く発音・短縮されるので「こけぇ」が「こけ」に聞こえます。「痛え」が「いて」で止まるのと同じ理屈。

最後に命令形は原則としてエ段で終わります。「読む」は「読め」で「見る・起きる」は「見れ・起きれ」です。「する」は「せぇ」で関西弁の「早よせぇ」でおなじみ。「来い」は「けぇ」です。この「ぇ」も会話では省略されます。だから「け!」は先ほどの例の「貝!」なのか「来い!」なのかは文脈で判断します。

以上の解説から表題を翻訳すると「へが」は「はいが」、「ふっど」は「ふるよ」、「こけけ」は「ここへこい」です。

漢字を入れて書くと「灰が降っど、こけ来」で「灰が降るよ、ここへ来い」です。ニュアンスを優しくすると「灰が降ってくるから、こっちへおいで」の意味です。

いきなり桜島が噴火した時、雨宿りならぬ灰宿りの声がけの言葉です。まあ、私は鹿児島市からはかなり離れたあたりで暮らしていたので火山灰の影響はほとんどありませんでしたが。

というわけで、次回もまたよろしくお願いします。

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